2023.11.30

団信に加入したら生命保険は解約してもいいの?

建てる

住宅ローンを組む際に加入が義務付けられている、団体信用生命保険(通称:団信)。 契約者に万が一のことが起こったときに住宅ローン残高が保障されるため、「団信を組んだら生命保険はいらないよ」と、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

しかし団信に加入したからといって、安易に生命保険を解約するのはおすすめできません! 今回は団信と生命保険の関係性について、説明していきます。 これから住宅ローンを組む方、または組む予定がある方はぜひ参考にしてください。

団信に加入しても安易に生命保険を解約するのはNG!

冒頭でもお伝えしたように、団信に加入したからといって生命保険を解約してはいけません。 団信は「住宅ローン残高」だけを保障する保険だからです。 たとえローンが0円になったとしても、残された家族の生活費はかかります。遺族が暮らしていくために必要なお金をまかなうのは、団信ではなく生命保険の役割なので、団信に加入したときには解約ではなく内容の「見直し」が必要です

団信と生命保険の違い

「自分に万が一のことが起こったときに保障が受けられる」という意味で、同じ保険だと思われがちな団信と生命保険。 保障内容には、どんな違いがあるのでしょうか?

団信の種類と保障内容

まずは団信の種類と保障内容をお伝えしていきます。 団信の正式名称は「団体信用生命保険」、文字通り生命保険です。契約者が死亡したとき、または高度障害になったときに住宅ローン残高が保障されます。 一般団信の内容は基本的にどの金融機関(引受保険会社)でも同じですが、団信の種類によって保障内容は異なります

団信の種類をいくつか見ていきましょう。

・一般団信:契約者の死亡時、高度障害時に住宅ローン残高が保障される
・がん保障付団信:一般団信の保障に加え、がん診断を受けたときにローン残高が保障される
・8大疾病保障付団信:8大疾病によって一定期間にわたって就業不能状態が続いたときに、ローン残高が保障される
・ワイド団信:一般団信よりも引受基準が緩和された団信

上記のほかにも3大疾病、5大疾病、全疾病など、種類は金融機関によってさまざま。がん保障付団信は、がんと診断された際に残高が0円になる団信もあれば、半分になる団信もあるので、備えたいリスクに合わせて選ぶことが大切です。

生命保険の種類と保障内容

団信についてわかったので、次は生命保険の種類と保障内容を見てみましょう。

・死亡保険:被保険者が死亡したときに保険金が受け取れる
・生存保険:被保険者が一定期間生存していた場合に保険金が受け取れる
・生死混合保険:死亡保障に加え、満期まで生存したときに満期保険金が受け取れる

生命保険も団信のように、被保険者の死亡に備えることができます。団信が「住宅ローン残高=保障額」になるのに対して、生命保険の保険金は契約者が自由に設定できることがポイントです。また保障期間は、住宅ローンが完済までなのに対して、生命保険は保障が一生涯継続される「終身保険」と、契約時に定めた期間の間だけ保障が受けられる「定期保険」の2種類に分けられます。

団信に加入しても生命保険を解約してはいけない理由

団信と生命保険の内容は似ているようで、少し違うことがわかりました。けれど、なぜ生命保険を解約してはいけないのでしょうか。理由をもう少し詳しくお伝えしていきます。

万が一のときに支出をカバーできない可能性があるから

ここまで何度もお伝えしてきたように、一般団信で保障されるのは「住宅ローン残高」のみです。ローンの返済がなくなる分、確かに支出の負担は減ります。しかし残された家族が生活していくためには、住居費以外にも食費や教育費、住宅を維持するためのランニングコストなどさまざまなお金が必要です。

ローンの契約者(世帯主)が亡くなると死亡退職金や遺族年金、ひとり親手当などの入ってくるお金もありますが、それだけでは支出をカバーできない可能性もあります。残された家族が安心して暮らしていくために、生命保険に加入して備えておく必要があるのです。

生命保険を早期解約すると解約返戻金が少なくなることがあるから

掛け捨てタイプ以外の生命保険を解約したときには、「解約返戻金」という解約金を受け取れます。 しかし、契約してからすぐに解約した場合には、解約返戻金が少なくなる可能性があるため、安易な解約はおすすめできません。ローン残高が保障される団信では、その時点でのローン残高によっては生命保険よりも大きな金額が保障されるケースもあります。しかし、団信は生命保険のように「固定費を見直したいから解約する、内容を変更することが一切できず、貯蓄性もありません。

その点生命保険は、好きなときに見直しができて、保障額を変更したり解約したりと、融通が効きやすい保険す。 解約時にもその時点での払込率に応じた解約金が受け取れるので、急にお金が必要になったときの備えとしても、解約せずに加入し続けることをおすすめします。

生命保険の見直し時にチェックすべき3つのポイント

最後に、生命保険の見直し時にチェックすべきポイントをお伝えしていきます。

ポイント1:保障の重複と不足

まずは、団信と生命保険の保障内容の「重複」と「不足」を確認します。 例えば「がん保障」や「疾病保障」の団信に加入していて、さらに生命保険にがんや疾病に備える「医療特約」を付けている場合は内容が重複しています。

保障対象が重複している場合は、それぞれの内容と補償額を再確認し、必要な額まで減額しておくと保険料の支払い負担を軽減できます。 逆に一般団信のみに加入している場合は、病気やケガの保障が不足しているため、別途医療保険に加入するか、生命保険で医療特約の付帯が必要です。 保障が不足しているときには、どのくらいの保障が必要なのかをライフスタイルやマネープランから考えてみてください。

ポイント2:必要保障額

次に、必要保障額を計算します。必要保障額とは、遺族の生活に必要なお金(支出)から得られるお金(収入)を差し引いたときに、足りないお金(不足分)のことです。 支出と収入の一例を見てみましょう。

支出

・配偶者、子どもの生活費
・家のランニングコスト
・住居費(団信に加入している場合は不要)
・子どもの教育費
・葬儀代、お墓代

収入

・遺族年金
・配偶者の年金
・死亡退職金
・配偶者の収入
・貯蓄

これらのお金は一時的なものではなく、一生涯に必要な金額で計算するためとても大きな額になります。しかし団信に加入している場合は、支出の中でも大きな割合を占める住宅ローンの返済がなくなるため、必要保障額がグッと下がります。

例えば、夫婦ともに35歳(世帯年収600万円)、子ども2人(8歳、5歳)で月25万円で暮らしていると仮定して必要保障額を計算してみましょう。なお、子ども2人は保育園から大学まで公立に行くと仮定します。

(支出:約11,200万円)- (収入:約9,800万円)= 1,400万円

住居費を抜きにしても、残された家族3人が暮らしていくためには1,400万円不足することがわかります。 この不足分を、生命保険でカバーするイメージです。もし必要保障額よりも生命保険の保障額の方が大幅に大きい場合は、見直しで保障額を下げることができます。自分だけで判断せず、プランナーと相談しながら見直しを進めていきましょう

ポイント3:働けなくなるリスク

一般団信や生命保険では死亡や高度障害には備えられますが、働けなくなったときのリスクに備えることはできません。病気やケガで入院して収入がなくなったとしても、ローンの返済は続くため、返済が苦しくなるリスクがあります。

そのようなリスクに備えるために「就業不能保険」や「医療保険」への加入を検討しましょう。団信には就業不能状態が続いたときにローン残高が保障される特約もあるので、団信で働けなくなるリスクに備えるのもひとつの方法です。

団信に加入したら生命保険の解約ではなく「見直し」を!

生命保険を解約すれば固定費を削ることができますが、安易な解約はおすすめできません。 団信に加入したときに必要なのは、解約ではなく「見直し」です。ライフプランやマネープランから、残された家族が困ることなく暮らしていくために必要なお金を計算し、生命保険の保障額を見直しましょう。

お金が足りなくなって困るのは、自分ではなく大切な家族です。万が一の事態に備えるためにも、団信に加入したとき、または加入する前に保険会社に相談してみてください。オールハウスでは家づくりはもちろん、保険やライフプラン見直しのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。