
2023.06.06
防犯登録は必須!?自転車のイタズラ被害者が考える防犯対策【集合住宅編】
暮らしのQ&A
通勤や買い物の足として便利な自転車。車で行くほどでもない場所に気軽に行ける乗り物として活用している方も多いのではないでしょうか。
自転車を持つ上で避けて通れないのが、盗難やイタズラの被害に遭うリスク。もちろん、車やバイクを持っていても同じリスクはありますが、自転車は車体が軽いこともあり、犯罪者に狙われやすくなっています。中には「鍵のかかっていない自転車を足代わりに乗ってしまった」ことが犯行動機という、なんとも身勝手な事件もあるようです。
そんな狙われやすい自転車の防犯対策について、実際の自転車のイタズラ・盗難被害の事例を踏まえながら考えていきましょう。
集合住宅の「駐輪場」は実は危険がいっぱい!

自転車の盗難やイタズラ被害の現場として多いのは、スーパーなどの駐輪場での被害。しかし、意外と狙われやすいのが、集合住宅の駐輪場に停めている自転車です。
マンションの駐輪場にはたくさんの自転車が並んでいるため、盗難やイタズラのような犯罪行為が行われても目立ちにくいという特性があります。
駐輪場に防犯カメラが付いていたり、建物の中にあったりする場合、被害はいくらか抑えられますが、防犯カメラなしで道路からすぐに入れる場所にある自転車置き場は非常に危険であると言えます。
ここからは、実際に自転車のイタズラの被害に遭ったAさんの体験を元に、対策を考えていきましょう。
近隣住民からのイタズラ
低層のマンションに住んでいたAさんは、自転車を道路に面したマンション専用の駐輪場に停めていました。しかし、高校に進学した際、高校指定のステッカーを貼った途端、近隣住民からと思われるイタズラ被害を受けるようになりました。
その内容は、自転車のタイヤをパンクさせられる、車輪のハブのネジを故意に緩められる、勝手にチェーンロックを掛けられる、傷を付けられる…といった悪質なもの。特にタイヤのパンクや車輪のハブのネジを緩める行為は、走り始めてから異変に気が付き、転倒して車の前に転げ落ちそうになるなど、命に関わるような被害を受けました。
しかし、高校卒業後にステッカーを外すと嫌がらせは無くなったため、Aさんの通っていた高校に何らかの負の感情を持つ者による犯行であったようです。
マンション住民からの被害もある
自転車ラックのない駐輪場は住民のマナーが露骨に出る
Aさんの住んでいたマンションの駐輪場は、画像のように自転車ラックのあるしっかりとした駐輪場…ではなく、ただ屋根が付いただけのコンクリートのスペース。

乱暴な停め方をする入居者が多いため、故意ではなくても転倒させられたり、ぶつけられたりという被害が多発。これはマンションの設備そのものに左右される問題のため、避けることができませんでした。
チェーンロックはある方が良い
さんざんイタズラの被害を受けたAさんの自転車ですが、通常の自転車の後輪のロックに加えて、チェーンロックをしていたことで、盗難の被害は免れていました。 チェーンロックを掛ける時のポイントは、自転車に付属のロックがない方の車輪(Aさんの場合は前輪)と、本体の一部をつなぐようにロックをかけること。

こうすることにより、前輪・後輪ともにロックがかかり、盗難をする犯人からは「盗むまでに時間がかかる」として、敬遠される可能性が高まると言われています。
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スタンドと組み合わせてさらに強度UP!
さらに盗難のリスクを下げる方法として、チェーンロックで自転車と建物の柱などを繋げてロックする「アースロック」と呼ばれる方法。しかし、Aさんのマンションの駐輪場のように自転車ラックのない駐輪場では、手頃な柱がありません。
そこでAさんは、自転車の前輪を固定しておけるスタンドを購入。スタンドと自転車をチェーンロックでロックすることでさらにロックの強度を上げました。
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電動アシスト自転車の場合はバッテリー盗難に気をつけて
近年増えてきているのが、電動アシスト自転車のバッテリーの盗難被害。バッテリーは高価なため、盗んでネットで販売する目的で狙われるようです。

Aさんは出先ではバッテリーと本体を繋ぐようにチェーンロックを掛けていますが、マンションの駐輪場に停めている時はバッテリーを自宅に持って入るようにしています。
自転車を室内に持って入れる広い土間があるお部屋がオススメ

大切な自転車をイタズラや窃盗の被害から守るため、マンションの駐輪場に停めずに自宅に持って入るという人も多いようです。実際、集合住宅の一室を、自転車を持って入れるような土間のある間取りにリノベーションするケースも増えてきています。
自転車の防犯登録は義務!必ず登録しよう

自転車の防犯登録とは、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律に基づき、都道府県ごとに公安委員会から指定された団体が、主に自転車の盗難防止と被害回復を目的に、その利用する自転車について、所有者情報の登録を行う制度。
実際に盗難の被害に遭い被害届を提出する際、防犯登録の番号を元に捜索が行われます。自転車を所有する者には防犯登録を行うことが義務化されています。防犯登録をしなかったからといって、自転車の所有者に罰則が課されることはありませんが、万が一の事態に備えて防犯登録は必ず行なっておきましょう。
有効期限や登録料は自治体によって異なる
防犯登録には有効期限と登録料があり、自治体によって異なります。例えば東京都は有効期限10年間・登録料500円。しかし、隣の神奈川県では有効期限7年間・登録料600円となっています(2022年8月現在)。お住まいの自治体の有効期限と登録料を確認しておきましょう。
譲渡や廃棄の際は必ず防犯登録の抹消を!
自転車に乗らなくなったために誰かに譲渡したり、廃棄したりする場合は必ず防犯登録を抹消する必要があります。自転車の譲渡によって所有者が変わる際は、期限が残っている場合でも新たな所有者が防犯登録を行う必要があります。
自転車を廃棄した際、防犯登録を抹消していなかったAさん。Aさんが廃棄した自転車が何者かに盗まれ、防犯登録の期限が残ったまま放置されたため警察から連絡が来てしまった、ということがあったようです。
また、防犯登録は都道府県を跨ぐことができないという点も要注意です。例えば、東京都の防犯登録の解除や変更は東京都の登録所でしか行うことができません。自転車の譲渡や廃棄を行う際は、必ず防犯登録をした自治体での登録抹消を行いましょう。
犯人に「選ばれにくい」自転車を目指そう

マンションの駐輪場のように、外に自転車を停めている場合、傷をつけられるなどのイタズラの被害を防ぐことは難しいかもしれません。しかし、盗難の防止に対してはさまざまな対策を行うことは一定の効果があると言えます。
何度も犯行を重ねている自転車の窃盗犯にとって、自転車のロックを解除することなどは簡単かもしれません。しかし、できるだけ目立たず、時間をかけずに自転車を盗みたいと思っているはずです。そのため、ロックを2重にしたり、アースロックにしたりといったささやかな抵抗をすることで、犯罪者に「選ばれにくい」自転車を目指しましょう。



