
2019.10.21
大地震に備えたい!家に帰れなくなった時に困らないため事前にやっておくべき対策
暮らしのQ&A
2010年代、震度7を観測する地震が4度も起こった日本。
日本に住んでいる限り、いつどこで地震に遭うかは予測ができません。仮に職場にいる時に大地震がやってくると、公共交通機関が止まって自宅に帰ることが困難な帰宅困難者となってしまう可能性があります。
突然帰宅困難者となってしまった場合、どうすればいいのか途方に暮れないように、事前にできる対策をまとめました。
事前の準備で結果は大きく変わる
マイホームにしても、賃貸住宅にしても、「最寄りの駅まで〇〇分」というところまでは認識しているとしても、電車が止まってしまった場合にどのように帰宅するかまで考えている方は少ないのではないでしょうか。
ましてや、大地震が発生してパニックとなっている状況で、冷静に家まで歩いて帰ることは至難の業です。これから、いざという時に帰宅困難者となった時のために、地震の前からやっておくべきことを考えていきましょう。
会社から家までの徒歩での経路を確認

ほとんどの方は日常の生活では会社まで電車で何駅で、何分で到着できるというところまでしか考えることはありません。
しかし、電車の経路の多くは道路とは異なっていることがあります。
線路沿いに道がなかったり、線路沿いに歩いて帰ると逆に遠回りになってしまったり、ということもあります。
また、地下鉄で通勤をしているという場合は、地上の街並みがどのようになっているかすらもわかりません。
Google MapsやYahoo!地図など、ネットで無料で閲覧できる地図が豊富にある現在。いざという時、どのルートを通って帰れば良いのか確認しておきましょう。
東日本大震災では「帰り方がわからない」人が続出

写真:2011年3月11日の東京(千代田区)の様子
震源地は宮城県沖であったものの、巨大な規模だったために東京都でも震度6を観測した東日本大震災。
首都圏の電車・地下鉄が完全に麻痺した2011年の3月11日、普段電車や地下鉄を使っている大勢の人々が帰宅困難者となりました。
中には、日常的に電車に乗っているだけなので、徒歩で自宅まで帰る方法がわからない人が大勢いたようです。また、電車を使って県境を越えて通勤している人が大勢いる首都圏。
歩いて当日に帰ることが困難な人も大勢いました。内閣府が2011年11月に実施したインターネット調査で、首都圏で合計約515万人が当日家に帰れない帰宅困難者となったことが判明しました。
可能であれば実際に歩いてみる

会社までの距離が徒歩だと片道3時間かかるほどの遠距離の場合は難しいですが、何とか歩いて行ける距離であるならば、休日を利用して歩いてみるのも良いかもしれません。
ネットの地図などの衛星写真で確認するだけでは、実際その場を歩いた感じをイメージすることは難しく、いざ歩いた時に迷ってしまう可能性もあります。
特に、地震が発生した後の混雑時には冷静な判断力を持って歩くことも難しくなるかもしれません。会社から自宅までのルートを、散歩感覚で実際に歩いてみると、それだけでも「土地勘」が向上するでしょう。
道中の休息を取ることのできる場所を確認しておく
容易に想像できることですが、普段電車や地下鉄で移動しているような距離を歩いて帰ることになったら、かなりの体力を消費します。
途中で足が動かなくなったり、体調が悪くなったりする危険性は十分考えられます。
公園や公民館など、道中で休息をとることができる施設がどこにあるかをしっかりと確認しておきましょう。
いざ徒歩で帰っているときは情報をこまめにチェック

事前の準備を十分にしていたとしても、大地震によって道路が寸断されて通行止めになっている、建物が倒壊する危険がある場所があるなど、計画通りに帰宅できない要素が発生する可能性があります。
2011年よりもスマートフォンの普及率が格段に上がっている現在。インターネットで災害情報をリアルタイムにチェックし、安全に帰宅できるようベストを尽くしましょう。
代替の交通機関は混雑している

鉄道が止まったことで、バスやタクシーなど、代替の交通機関を利用して帰宅しようとする方も多いことでしょう。
しかし、同じように考える人は大勢いるため、代替の交通機関は非常に混雑し、場合によっては乗車できない可能性もあります。
さらに、大地震の後は大抵道路も大混雑。車の量が激増する上、歩いて帰宅する歩行者によって歩道や横断歩道が満員となるため、通常では考えられない大渋滞が発生します。
家までの距離にもよりますが、結局歩いて帰った方が早かった、となるかもしれません。
備えがあれば慌てずに済む
自分が帰宅困難者となった時の対策をしておけば、いざという時に慌てなくても済みます。
当然ながら、自宅までのルートをあらかじめ知っておくのと、その場でスマートフォンで調べながら帰るのでは、心の余裕が大きく違ってきます。
今住んでいる家はもちろん、今後引越しをするときは、職場までの「徒歩でのルート」をしっかりと把握しておきましょう。



